仕事のせいで忙しくて前作から間があいてしまいましたが、ようやく標本箱オブジェの二作目を掲載できるようになりましたのでご覧下さい。

今回はフロントガラスの裏面からボンドを塗り、水で濡れたような演出を施してみました。ガラスはどうしても作業しているうちにホコリや指紋がついたりして汚れてしまうので、それならいっそ意図的に汚したほうが楽というのもあります。

蓋をあけたところ。

シュロ縄を使った前作のジャンクアートな雰囲気も良かったのですが、今回はしっかりした綿ロープを使いました。このほうがヴェルヌらしいブルジョアっぽさというかエッツェル版の装丁のような感じが出ていいんじゃないかと思います。ロープのつなぎ目は地味なリボンを巻いて隠しているのですが、その地味なリボンを探すのに結構苦労しました(詳しくは後のエントリで)。完成が遅れた一番の理由です。綿ロープは以前紹介したように生成りのものをコーヒーで染めました。思ったより濃い色にならなかったのですが、標本箱の桐の木材と似たような色になって結果オーライです。

上のほう。いちおう「暴風雨が近づいている」シーンですから寒々とした冷たい海の色が出したくて、ピーコックブルーにインディゴを混ぜたのですが。至近距離からフラッシュを焚いているせいもあり、かなり明るめな感じ。うーん。

海綿の小島にハロゲンランプの灯台。本作の一番のポイントです。青と黄色の対比からはゴッホやフェルメールを連想してしまいます。ハロゲンランプは高温になるので煤けて黒くならないための特殊なコーティングがしてあるそうで、よく見ると玉虫色に光っています。

左サイド。小さい貝殻をびっしりと並べてちょっとだけ気持ち悪い感じに。

右サイド。こちらはガラスの破片が中心です。

中央。アルフォンス・ド・ヌヴィル画。この絵は人物が三人も描かれているので穴を大きくせざるを得ませんでした。画像では分かり辛いとおもいますが、前作と異なり本作は燃やした紙(書籍本文ページ)の四辺すべてをきちんと箱の内面に貼り付けることに成功しています。紙を普通に燃やすと、燃やしたところだけ縮んでしまうので平らな面にきれいに貼ることができなくなってしまうんですよね。なので、今回は燃やす段階でちょっとした工夫をしました。

箱の裏の日付とサイン。
まとめ。前作「六分儀ネモ」に比べ、本作は綿ロープを使った点と燃やした紙の四辺がきちんと貼り付いている点が大進歩と言えるでしょう。しかしながら、構図的には前作のほうが良かったかなという気がします。特に両サイドの装飾は子供っぽい感じになってしまって明らかな失敗です。前作のように上下の向きが感じられるデザインにするべきだったと強く反省しています。エスキースも作らず場当たり的にやってしまうのは自分の性格的に仕方が無いのかな。でもこれで早くも方向性が見えてきたので、次からはもっとちゃんとした作品が作れる自信がありますのでご期待下さい。